弁護士への質問 見つかりました 53

国際貨物輸送において発行される船荷証券（Bill of Lading、B/L）は、貨物を受け取った運送人が貨物の受領を証明し、正当な所持人に対して貨物の引渡しを保証する重要な書類です。このB/Lが持つ所有権の証券性や裏書譲渡による権利移転、さらにはクレームを主張する際の根拠など、複雑な法的性質を理解しておく必要があります。

造船所と発注者が締結する造船契約では、船舶の工期や性能に関する保証が重要視されます。しかし、工期の遅れや設計上の不具合で発注者が損害を被った場合、遅延賠償金や修理費用の負担などが問題化することがあります。このようなトラブルはどのように回避・解決されるのでしょうか。

企業が専用で使う埠頭（専用バース）を港湾区域内に設けたい場合、港湾法や海岸法、さらには地方自治体の条例に従って許可を得る必要があると聞きます。どのような手順で専用埠頭を設置し、管理権限を確保するのでしょうか。

海上で長期間勤務する乗組員は、陸上の労働者以上に勤務時間と休息時間のバランスが崩れやすく、過労や安全面での懸念が指摘されています。日本では船員法やILO海上労働条約などの国際規範を踏まえて、乗組員の労働時間・休息に関する具体的なルールを定めていると聞きますが、どのような規定が存在するのでしょうか。

温室効果ガス削減や大気汚染防止の流れの中、船舶エンジンに改造を加えて排ガスを減らす手法がある一方、違法改造や排ガス規制違反の問題も指摘されます。違反するとどのような罰則が科され、船主や整備業者の責任がどう追及されるのでしょうか。

アジアやアフリカ沖では海賊や武装グループによる船舶襲撃が問題化しており、日本の商船も被害を受ける可能性があります。海賊対策の国際枠組みや、日本企業がとる自衛措置、海上保安庁や自衛隊の役割はどのように位置づけられているのでしょうか。

商船やプレジャーボートなど船舶を所有すると、事故や環境汚染、乗員の労務問題など多岐にわたるリスク管理が必要になります。海事法では船舶所有者に対して幅広い責任を課しており、例えば船舶の運航安全や公海上での衝突防止措置、港湾利用時のルール遵守など、陸上の事業者以上に厳密な取り扱いが求められます。所有者としての責任範囲を把握しないまま運航すると、損害賠償リスクや行政処分に直面する恐れがあります。

海外の投資家や企業が日本で船舶を所有し、日本船籍を取得したいと考えるケースがあります。一般的には船籍付与の要件として所有者の国籍条項があるため、外国人が直接日本船籍を得るのは難しいと聞きますが、具体的にどのような規定が存在し、どのような対策が可能なのでしょうか。

船員が航海中にけがをしたり、最悪の場合死亡事故が起こった際、雇用者としてどの程度の賠償責任を負うことになるのでしょうか。また、船員災害補償保険などの仕組みを利用できると聞きますが、具体的な保障内容はどうなっているのでしょうか。

船舶や貨物を保護するために契約する海事保険（船舶保険、貨物保険、P&I保険など）では、海難や衝突事故、火災、盗難など多様なリスクに対応できます。しかし、保険の対象外となる場合もあり、具体的にはどのような免責事項が定められているのか理解しておく必要があります。