- ホーム
- 質問
弁護士への質問 見つかりました 31
築古マンションの老朽化が深刻となり、建替えを検討している管理組合が増えています。区分所有法では、建替え決議を行うには区分所有者総数と議決権総数の各5分の4以上の賛成が必要と規定されていますが、実際にそこまで多数決を得るのは簡単ではありません。反対者が一定数いた場合、その交渉方法や補償条件が大きな課題となります。また建替え後の住戸割り当て(権利変換方式)も複雑で、敷地利用権や共用部分の評価をどう算定するか、権利変換計画がどのように立案されるかなど細かなルールが存在します。マンションの一部所有者が協力を拒否した場合でも、5分の4決議が成立すれば最終的に裁判所が関与して強制的に建替えを進める制度があるものの、実務では根強い反対意見への対応や資金調達の問題など、準備段階で乗り越えるハードルが多いと言えます。
所有する一戸建てが築年数の間に勝手に増築しており、建築確認申請と異なる形状になっているのを最近知りました。このまま売りたいが違反建築扱いになるのではと不安です。買主に説明したら売却が難しくなる可能性もありそうですが、法的にどんな手続きを踏めばいいのでしょうか?
中古マンションをリノベーション業者が買い取り、内装・設備を一新して再販売するケースが増えています。この場合、表面上は綺麗になっているものの、構造部分や配管などが十分に点検されていないこともあり得ます。買主は引き渡し後に漏水や断熱不良などの不具合に気づいても、リフォーム箇所以外は免責とされる契約書が多く、トラブルになる例があります。瑕疵担保責任(現行法では契約不適合責任)をどの範囲で認めるか、売主のアフターサービスや保証期間がどこまであるかなどを必ず確認しましょう。業者によっては独自保証を付けている場合もありますが、保証内容や期間が極めて限定的なことも多いため、購入前にしっかり比較検討することが大切です。
マンションの一室をAirbnbなどで民泊として活用したい人が増えていますが、多くの分譲マンション管理規約では短期賃貸や宿泊施設としての使用を禁止または制限している場合があります。もし規約違反のまま無許可で民泊を続けると、管理組合から使用停止や罰則的な徴収(違約金)を科されることがあるほか、住民トラブルや治安悪化の問題で裁判に発展するケースもあります。さらに住宅宿泊事業法(民泊新法)や旅館業法、消防法などの法令に基づく許可・届出を満たさないと行政処分や罰金のリスクが生じるでしょう。マンションで民泊を行うには、まず管理規約が民泊を許容するか確認し、自治体の条例や行政手続きに沿った合法的な運営を目指すのが基本です。規約を改正して民泊を認めるケースも一部にありますが、住民の理解やセキュリティ確保など解決すべき課題が多いです。
不動産を購入後、基礎工事の段階で地下に産廃や瓦礫など想定外の障害物が見つかり、高額な撤去費用がかかったケースがあります。契約時に売主がこうした地中物の存在を説明しなかった場合、買主としては売主に対して損害賠償や費用負担を求められるのでしょうか?
中古住宅を購入する際、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明では建物の構造や築年数だけでなく、過去の増改築やリフォーム履歴、耐震診断の有無など多くの確認項目があります。また、地区計画や用途地域、建ぺい率・容積率がどの程度消化されているかによって、将来的なリノベーションの可否や増改築の制限が変わる可能性があります。特に中古物件では雨漏りやシロアリ被害などの既存不具合が見落とされがちで、契約後のトラブルを防ぐためにも情報開示を徹底的にチェックすることが大切です。購入後に「聞いていなかった」と後悔しないよう、重要事項説明書や現地確認を綿密に行うのがポイントです。
賃貸住宅や事業用物件を貸し出す際、通常の賃貸借契約に比べ、借主に更新権がなく契約期間満了で終了となる定期借家契約が選ばれるケースが増えています。借地借家法の改正により、定期借家はスムーズな退去が期待でき、オーナーにとっては資産活用の自由度が高い反面、借主の立場では長期間住めない不安や再契約の交渉が必要というデメリットも考えられます。また、契約締結時には書面と対面またはIT重説などで「定期借家である旨」を厳格に説明しなければ無効になるリスクがあることに注意が必要です。こうした手続き要件を満たさないと結局は通常の借家契約とみなされる可能性があり、オーナーが意図した契約終了の制度を活かせなくなる恐れがあります。利用する際は、契約書と重要事項説明書を綿密に作成し、双方が理解した上で合意することが欠かせません。
古い建物を取り壊す際に、工事が始まる前に近隣住民へ挨拶や工事説明を行う慣習がありますが、これは法律上の義務なのでしょうか? また、騒音や粉じん飛散防止のための措置を怠るとどんな罰則が考えられるのか知りたいです。
元請会社が下請企業へ工事を発注する際、建設業法や下請代金支払遅延等防止法などにより、契約書面化や支払いスケジュールの明示などが求められています。特に最近は建設業界の取引適正化が叫ばれており、口頭契約や曖昧な工期指示が横行すると下請側の労務管理が難しくなり、事故や人件費トラブルに繋がりやすいです。法律では工事内容や工期、代金額や支払期日などを明確に書面化し、下請業者が不利にならないよう元請の優越的地位の濫用を防ぐ規定が用意されています。具体的には「注文書・請書の交換」「出来高に応じた中間金の支払い」「完成引渡後60日以内の最終支払い」などが基本ルールとなることが多いです。これらを守らず下請へ適切に代金を支払わない場合、行政指導や処分の可能性があり、社会的信用も失墜しかねないため、元請は法令順守に努める必要があります。
田舎の里山を購入し、自然のままセカンドハウスを建てたいと考えていますが、地目が農地や山林の場合は農地法や森林法の届け出が必要と聞きます。実際には里山の一部に小屋を建てる程度なら届け出はいらないかもしれないと言われましたが、どうなのでしょうか? もし届出しないまま建築すると違反扱いになる可能性はありますか?