新興技術（AI分野など）での独禁法の考え方

公正取引委員会はデジタル経済やAI技術に関して「デジタル市場競争に関する検討会報告書」などを公表し、プラットフォーマーが巨大なデータやアルゴリズムを独占し、競合他社を排除する「データ独占問題」やAIによる価格協調・カルテルリスクに注目しています。競争法の基本原則は変わらないものの、AI分野特有の課題（アルゴリズムが自動的に協調行動を形成する可能性など）にどう適用するか検討されています。現行制度の範囲で、プラットフォームの優越的地位濫用や企業結合審査を強化しつつ、必要に応じて立法補強も視野に入れる見通しです。企業はAI導入時にアルゴリズムを使って価格設定等を行う際、意図せずカルテルに近い効果を生むリスクを想定し、適切な内部統制を敷く必要があります。