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尊属殺重罰規定は現行刑法でどうなっている?

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15.12.2024

かつて刑法では尊属殺人(親や祖父母を殺す犯罪)を通常の殺人罪より重く処罰する尊属殺重罰規定(旧刑法第200条)が存在しました。しかし、1973年の最高裁判決で違憲判決(尊属殺人が通常の殺人より過度に重い刑罰を科すことは法の下の平等に反する)が出されたため、その後の法改正で尊属殺条項は削除されました。現在は、尊属殺であっても通常の殺人罪(刑法第199条)と同様に処罰されます。ただし、裁判官が量刑を判断する際、被害者が近親者である事実が考慮されることはあるため、実質的に量刑に影響は及ぶ可能性が残っています。

ともかく 18.12.2024
回答の日付: 18.12.2024

尊属殺重罰規定は近代日本の家制度を背景に、親を殺害する行為を特に重大視する考えから設けられていましたが、現代では人道的観点や平等原則などを重視する潮流が強まり、憲法違反とされた経緯があります。したがって今は尊属殺があっても刑法上は単純な殺人罪が適用され、法定刑も死刑または無期もしくは5年以上の懲役という一般規定に従います。ただ、裁判実務では親子関係の事情や虐待の有無、犯行動機などを詳細に検討し、量刑上で『被害者が親である』ことを情状評価することはしばしば行われます。逆に長年の虐待があったケースなどでは被告人に同情が集まり、刑が軽減される場合もあります。

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