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刑法における心神喪失・心神耗弱とは?責任能力にどう影響?

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25.11.2024

刑法上、心神喪失(刑法第39条1項)状態で犯罪行為に及んだ者は責任能力がないとして罰せられず、心神耗弱(同条2項)の場合は責任能力が著しく減退しているとみなされ刑が減軽される可能性があります。ここでいう心神喪失や耗弱とは精神障害や薬物影響などで事理弁識や行動制御が著しく困難な状態を指し、医学的な鑑定を含めて裁判所が総合判断します。仮に心神喪失と認定されれば無罪となりますが、実際には『触法精神障害者』として医療観察法に基づく入院措置などがとられる場合もあり、社会復帰には別のプロセスが必要です。

ともかく 26.11.2024
回答の日付: 26.11.2024

心神喪失・耗弱の判断基準は裁判例や精神鑑定の積み重ねによって発展してきましたが、あくまで刑法上の概念であり、単なる精神疾患の診断名だけで自動的に適用されるわけではありません。たとえば統合失調症があったとしても犯行時の状態が正常に近かったと判断されれば責任能力は否定されず、逆に一時的な発作や極度の錯乱状態なら心神喪失が認められる可能性もあります。心神耗弱と認定されれば『限定責任能力』として刑が減軽されるにとどまり、実務ではどの程度の減軽が妥当かが争点となることも多いです。なお、飲酒や薬物乱用など自己招致による心神喪失は減軽されにくいという運用があります。

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