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逆上して故意なく殴り殺してしまったら、殺人罪か傷害致死罪か?

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11.12.2024

相手を殴った結果として死亡した場合、行為者に殺意(故意)があれば殺人罪(刑法第199条)とされますが、相手を殺す気まではなかったと判断されれば傷害致死罪(同第205条)が適用されます。実務では、『殴っただけで本当に死ぬと思わなかった』など被告人の供述が争点になりやすく、しばしば殺人罪と傷害致死罪の区別が難しいケースがあります。裁判所は行為態様(どれくらい強く、どの部位を何度殴ったか)、行為後の対応(救護したか放置したか)、被告人の言動などから総合的に殺意の有無を推測し、最終的に判断します。

ともかく 13.12.2024
回答の日付: 13.12.2024

殺人罪だと無期懲役や死刑が科される可能性があり、非常に重い刑罰になりますが、傷害致死罪なら3年以上の有期懲役が基本です。同じ結果であっても故意のレベルが異なることで大きな差が生まれるのが刑法の特徴です。被告人が激高して相手を複数回殴ったり、頭部など致命傷になりやすい場所を強打している場合、裁判所が『殺す可能性を認識していた』と推定することもあり、殺意を認定しやすい傾向にあります。一方で、殴った回数が少なく、偶発的に頭部を打ち所が悪かったなどの場合には傷害致死とされることが多いです。結局、境目は非常に難しく、一審と二審で判断が分かれる例も少なくありません。

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