少額随意契約のメリットと不正利用防止策
- 09.12.2024
回答なし
公共調達では、一定の金額以下の契約については手続き簡略化のため、少額随意契約が認められています。たとえば数十万円程度の印刷や文具購入など、競争入札を行うほどコストや労力に見合わない案件に適用されます。メリットとしては事務処理負担を軽減しスピーディに契約を結べる一方、職員が特定業者と結託しやすい温床になるリスクがあり、内部統制や監査が疎かだと不当な契約が繰り返されるケースが指摘されています。
公共調達の現場では、大手企業が大型案件を独占しがちという批判を受け、中小企業の参入機会を増やすために資格要件の緩和を行う動きがあります。例えば、従来は一定の資本金や実績を求めていた基準を若干下げたり、企業規模に応じた分割発注を実施するなどの方法で、中小企業でも対応可能な案件を創出する狙いです。これにより地域経済の活性化や新規参入の促進を図ろうとする政策が行われていますが、あまりにも条件を甘くしすぎると業者の技術力不足や工事不良を招くリスクもあるため、バランスを取りながらの運用が必要です。
資格要件緩和の具体的手段としては、施工実績の評価において「同種工事の経験年数」を短く設定したり、「技術者数の要件」を低減するなどが挙げられます。また、入札区分を細分化し、小規模な工事や委託業務を中小企業向け枠に分ける方法も採られています。中央省庁でも「中小企業枠」での発注目標を設定するケースがあり、実際に成長意欲のある中小企業に受注チャンスが広がっている例があります。ただし、安易に要件を緩和すると手抜き工事や納品トラブルの懸念が高まるため、企業の誠実性やコンプライアンス意識をチェックする制度(施工成績評価や過去の違反歴の確認など)とセットで取り組むことが重要です。