船員の人身事故を起こした際の雇用者責任と保険

船員法や労働基準法に基づき、船員が業務中・航海中に負傷したり死亡した場合、雇用者（船舶所有者や運航会社）は安全配慮義務違反があると認められれば損害賠償責任を負う可能性があります。具体的には医療費や休業補償、遺族への逸失利益支払いなどが求められ、重大な過失がある場合は多額の賠償リスクが生じます。ただし船員災害補償保険（労災保険の船員特例）や船員保険が適用されることが多く、保険給付によって一定範囲の補償が行われます。さらにP&I保険（船主責任保険）を含めた海事保険に加入していれば、会社が負担すべき損害賠償金を補填することも可能です。しかし、保険対象外となる重大なルール違反があると保険金が下りない場合があるため、日頃から安全管理と保険内容の確認を徹底する必要があります。