回答の日付: 06.12.2024
仲裁判断は本来、最終性が尊重されるため、仲裁後にさらに裁判所へ上訴できる形にする条項は、仲裁の性質と相容れない面があります。日本の仲裁法でも仲裁合意がある場合は原則的に裁判所が管轄を否定し、仲裁手続に委ねる立て付けです。よって「仲裁と裁判の両方を選択できる」または「仲裁後に不服があれば裁判に移れる」という条項は、事実上無効や無意味となるおそれが高いです。また訴訟との二重手続が起こるとコストが増えるなど、実務的にも非効率です。どうしても裁判所判断を得たい場合は、仲裁合意をしないか、あるいは上訴禁止を前提に仲裁を選択するのが通常のアプローチです。