外国政府からのサイバー攻撃に対する国際法上の扱い

外国政府が関与しているサイバー攻撃は、国際法上「サイバー作戦」として武力攻撃に準ずる行為とみなされる場合がある一方、まだ明確に確立された国際ルールが十分ではありません。ただ、国連憲章の自衛権や国際慣習法としての不干渉原則などを参照して、深刻な被害が予想される場合は外交的・経済的制裁措置をとる国もあります。日本企業が被害を受けた際は、外務省を通じて相手国に抗議や賠償請求を行うことが考えられますが、成功率は高くありません。近年、各国政府は多国間協力（サイバー外交やCERT間連携）を強化し、国際法秩序を模索する段階です。実務上は、国家間の交渉や制裁リスクを踏まえた政治的判断が大きな要素となります。