回答の日付: 04.01.2025
仲裁法や多くの仲裁規則で「暫定措置」や「緊急仲裁人制度」が整えられており、紛争の本案判断が出る前に相手の財産処分を停止させるなどの保全的命令を出せる仕組みがあります。しかし、仲裁人自身が差し押さえ等の強制力を直接行使するわけではなく、実効性を担保するには相手方の自主的遵守を期待する面が強いです。強制執行を要する場合は裁判所との連携が必要で、仲裁廷からの暫定命令を根拠に裁判所で保全措置を申し立てる流れを取ることになります。国際仲裁の場では、「緊急仲裁人(Emergency Arbitrator)」を任命して速やかに暫定命令を下す制度を導入する機関が増え、当事者を不測の損害から保護することが可能になっています。