スポーツ指導の無資格問題と法的規制

現在のところ、スポーツ指導者の国家資格は存在せず、各競技団体が独自の指導者ライセンス制度を設けています。文部科学省や日本スポーツ協会は指導者育成や研修プログラムを推進しており、「公認スポーツ指導者」制度など任意の資格を作っていますが、法的強制力まではありません。強力な法規制を敷くと、地域スポーツや部活動などで指導者が確保しにくくなる懸念もあり、国としては慎重です。しかし、体罰や事故が深刻化すれば、将来的に一定の資格要件を義務付ける議論が起きる可能性はあります。現状では、もし指導者の不適切指導で事故が起きた場合、施設側や団体側が監督責任を問われることで、事実上の抑制力となっています。