近年、日本でもオンライン詐欺や特殊詐欺の被害が急増しています。警察庁のデータによると、2023年には約18万件以上の詐欺事件が報告されており、被害総額は500億円を超えました。本ガイドでは、詐欺被害にあった際に取るべき行動、利用可能な法的手段、相談機関、そして予防策について詳しく説明します。
日本における主な詐欺の種類と統計(2023年)
詐欺の種類 | 報告件数 | 平均被害額 | 前年比増加率 |
---|---|---|---|
オンラインショッピング詐欺 | 約42,000件 | 約3万円 | +12% |
オレオレ詐欺 | 約15,000件 | 約150万円 | +8% |
投資詐欺 | 約10,000件 | 約300万円 | +18% |
フィッシング詐欺 | 約25,000件 | 約6万円 | +20% |
恋愛詐欺(ロマンス詐欺) | 約3,500件 | 約250万円 | +15% |
※ 出典:警察庁、消費者庁、2023年統計
詐欺に遭ったらすぐにすべきこと
1. 詐欺師との連絡を断つ
-
電話、メール、SNS等すべての連絡手段を遮断
-
アカウントのブロック
2. 証拠を保存
-
メール、LINE、SNSメッセージなどのスクリーンショットを保存
-
振込記録、領収書、取引履歴を確保
3. 金融機関へ連絡
-
クレジットカードの停止
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振込の取消依頼(早期であれば可能性あり)
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銀行口座の凍結相談
4. 警察に被害届を提出
-
最寄りの警察署へ出向くか、オンラインで「#9110」に相談
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証拠資料を提出
5. 関係機関に報告
-
国民生活センター(消費者ホットライン:188)
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サイバー犯罪対策課
-
金融庁(無登録業者に関する相談)
日本における法的対応
日本の刑法では、以下のように詐欺行為が定義されています。
-
刑法第246条:詐欺罪
-
他人を欺いて財物を交付させた場合、10年以下の懲役
-
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刑法第250条:未遂罪も処罰対象
-
特定商取引法・金融商品取引法・消費者契約法なども適用される場合あり
民事上は損害賠償請求や不当利得返還請求が可能。ただし加害者の特定・所在が不明な場合、回収は困難。
相談・通報先
機関名 | 内容 | 連絡先/サイト |
---|---|---|
警察(サイバー犯罪対策) | 被害届の提出、捜査 | 最寄りの警察署、#9110 |
国民生活センター | 消費者トラブル全般 | https://www.kokusen.go.jp |
消費者庁 | 特商法違反、投資詐欺など | https://www.caa.go.jp |
金融庁(行政処分・警告) | 無登録業者、投資被害 | https://www.fsa.go.jp |
日本サイバー犯罪対策センター | 情報提供・教育 | https://www.jc3.or.jp |
よくある詐欺の手口と見分け方
詐欺の種類 | 特徴的な手口 | 対応方法 |
---|---|---|
フィッシング詐欺 | 偽の銀行サイト、パスワード入力要求 | 本物のURL確認、無視・削除 |
SNSでの恋愛詐欺 | 突然の愛の告白、資金援助要請 | 一切返信せずブロック |
偽投資サイト | 高リターンを保証、出金できない | 金融庁の警告リスト確認 |
偽ショッピングサイト | 商品未到着、振込後に音信不通 | サイトの運営者情報を必ず確認 |
詐欺電話(オレオレ) | 家族を装って金銭を要求 | 一旦電話を切り、家族に確認 |
詐欺被害の予防方法
-
メールやSMSに記載のURLは不用意に開かない
-
銀行・金融機関の正規サイトをブックマークしておく
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二段階認証を利用
-
ソフトウェア・セキュリティ対策を常に最新に保つ
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SNSで知り合った相手との金銭のやりとりは絶対に避ける
-
金融庁の「無登録業者リスト」を定期的にチェック
実際の事例:偽投資サイトで500万円を失う
2023年、東京都内の50代男性がSNSで知り合った人物に勧められた仮想通貨投資プラットフォームに500万円を入金。数日後、出金できなくなり、サポートにも連絡不能に。調査の結果、当該プラットフォームは金融庁の警告リストに掲載されていた。
まとめ
日本で詐欺の被害に遭った場合は、以下を速やかに実行してください:
-
詐欺師との連絡を断ち、証拠を保存
-
金融機関や警察、関係機関に連絡
-
法的措置や消費者支援制度の活用
-
二度と被害に遭わないための予防策を実施
早期の対応と冷静な行動が、被害の最小化と犯人逮捕につながります。
有用な情報

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