国際排出量取引への参加で日本企業が受ける影響

京都議定書時代から日本は排出量取引の国際的な仕組みに関わり、パリ協定下でも各国が排出削減量を取引できるメカニズム（Article 6）を整備しています。国内では温室効果ガスの削減を促すため、東京都や埼玉県などが独自の排出量取引制度を運用中で、今後国レベルでも導入が検討されています。企業が国際排出量取引に参加するメリットは、低コストで削減目標を達成できる一方、取引価格の変動リスクや追加的な手続きコストが発生するデメリットもあります。また、国内法では排出量取引制度が完全には整備されておらず、海外クレジットの取り扱いなども細かいルールが必要です。企業は自社の削減努力と合わせ、どの程度国際市場に頼るかを慎重に検討し、今後の法改正にも注視する必要があります。