船員組合との団体交渉とストライキの正当性

船員は労働組合法や船員法の保護を受け、労働組合を結成して団体交渉を行う権利を有します。船員組合が使用者（船社）との交渉決裂からストライキに突入する場合、正当な争議行為として法的に認められるには、事前の団体交渉を誠実に行ったことや、暴力や船舶破壊などの違法行為が伴わないことが条件となります。海上運送の公共性から、一部の国では「最低限の運航を確保する義務」や「クールオフ期間」を定める場合もあり、現場ではフェリーや定期船がストライキでも全面運休しないよう調整を行うことがあります。正当なストライキであれば、会社側が船員を解雇したり損害賠償請求を行うことは違法となり、船員の団結権が強く保護されます。